2015年11月25日

旧古河庭園大谷美術館コンサート

11月23日(祝)に、北区にある都立旧古河庭園内の大谷美術館で、当協会主催のミニコンサートが開催されました。大谷美術館は、旧古河財閥三代目当主古河虎之助男爵の邸宅であった洋館で、鹿鳴館、ニコライ堂、三菱一号館など明治期に数々のランドマークを設計したお雇い外国人ジョサイア・コンドル晩年の設計になり、1917年(大正6年)に完成したそうです。
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当日は、まず参加者が3組に分かれて、学芸員による説明を受けながらの館内見学。面白いのは、二階の居間、客間などが和室になっていること。男爵一家は、食堂、寝室などについては洋風の生活をしながら、本当にくつろぐ時間は畳の上で過ごしていたらしい、というところがなんとも大正の日本人らしい感じがします。
コンサートの定員80名は、会員とその同伴者であっという間に埋まり、遅れて申し込まれた会員の方はお断りしなければならない盛況となりました。
演奏が行われたのは1階の大食堂。グランドピアノが置かれていて、普段もミニコンサートなどに利用されているほか、東京会館と提携して結婚披露宴の会場としても使われるそうです。もともと食事中の会話がよく聞こえるようにとの配慮から、木製の腰板が他の部屋よりも壁の高い位置まで延ばされていて、非常によい音響空間となっていました。
当日は東京二期会のご好意により、成田博之さん(Br)、石原妙子さん(S)、青柳素晴さん(T)の3人の二期会会員歌手とピアニストの大藤玲子さんにご出演いただきました。

プログラムは下記のとおり:
第1部 ヴェルディの至宝のアリア
成田博之   《ラ・トラヴィアータ》より〈プロヴァンスの海と陸〉
石原妙子   《アイーダ》より〈勝ちて帰れ〉
青柳素晴   《リゴレット》より〈 女心の歌〉
第2部 《イル・トロバトーレ》より
青柳素晴   〈見よ、恐ろしい炎〉(マンリーコのアリア)
石原妙子、成田博之 〈この涙をご覧ください〉 (レオノーラとルーナ伯爵の二重唱)
そしてアンコールとして
石原、青柳、成田 《ラ・トラヴィアータ》より〈乾杯の歌〉

第1部は、成田さんの軽妙な司会で、歌手の皆さんの本音トークも交えた紹介が行われ、第2部は当協会の武田が、2016年2月に行われる東京二期会公演《イル・トロヴァートーレ》(アンドレア・バッティストーニ指揮、石原さん、成田さんも出演)に対する期待も含めて、曲目解説を行いました。
3名の歌手は、皆さんヴェルディを歌うにふさわしい立派な声の響きとテクニックを持ち、参加者の皆さんには、大正ロマン薫る洋館サロンの中で、名曲の美しさを存分に堪能いただけたと思います。 (Simon)
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posted by NPO日本ヴェルディ協会 at 17:40| Comment(4) | イベント報告